Vol.40  阿修羅性交【後篇】    written by  綿口門座守

俺はずっと妻を待ち続けた。

その間、悔しさと怒りと異常な性的興奮でオナニーをし続けた。

窓も開けない部屋は、飛び散った精液の臭いで充満している。


今日は娘たちも友人と出かけており、おそらく帰りは遅くなるだろう。

それまでに妻と色んな意味での決着をつけるつもりだった。


遅い夕方。

やがて妻の車が帰ってくる音がした。


ついに

ついに帰ってきたか。


海沿いのカーセックスを見てから3時間程経っている。

あの後、どこで何をしていたのか。


「ただいま」


とどことなくよそよそしい小声で妻は玄関に到着する。

誰に言うともなく。


俺はパンツを上げ、ズボンを履き直し、妻が向かったキッチンに進んだ。

妻は何か夕食の材料を買ってきたようで、すぐに冷蔵庫に入れ始めていた。

ベージュのミニスカに黒の柄ストッキング。


スカートから出たむちっとしたいやらしい脚が妙に艶めかしい。

先程まであの若い男のイチモツをさんざんに受け入れたその股ぐら。


それを思い出しただけで、俺はまたすぐに勃起を始める。


キッチンに入っていくと妻が気付いた。

「あら、家にいたの? 夕食はどうする?」


俺は無言でテーブルについた。

「とりあえず簡単なものならすぐできるけど?」


「…」


「なあに?食べないの?」

「話がある」

「なに?話って?」

「いいからここへ座れ」


俺の尖った口調に妻は異変を感じたのか、向こうも急に態度が変わる。


「なによ座れって?」

「早く来て座れっ!!」


つい大声が出る。


妻は硬直した目でこちらを見、すぐに顔をそらし台所仕事に戻ろうとする。

「なんなの? 何を怒ってるの?」

妻の口調もかなり険しい。


「…」


俺はまたしばらく何も言えなかった。

何をどう切り出していいのかわからない。

今はただ、ただ頭に上った血を、そしてチンポに上った血を収めたいのだが

どう頑張ったって冷静ではいられない。

落ち着こうとすればするほどあの車の中のフェラのシーンが鮮やかに蘇ってくる。

そして猛烈に怒りが湧いてくる。

勃起が激しくなってくる。


キッチンで、ふたりとも黙ったままだった。


妻はそそくさと仕事を片付け、

夕食など作ろうともせずに自分の部屋へ向かった。


俺はキッチンから少し速足で逃げるように出て行く妻を追った。


妻は自分の部屋に入って行った。


俺は妻の部屋の前で立ち尽くす。

このまま入れば、もう自分を抑制することなどできない。


もう限界だ。

そう感じるが早いか俺は妻の部屋のドアを足で蹴り開けた。


どがっ


と勢いよくドアが開き、部屋では妻が洋服を脱ぎ始めているところだった。


びっくりした妻は

「な、なに!?なんなの!?」


少し怯えている。

そして怒りも見受けられる。


それを確認して俺はさらに自分の怒りを爆発させた。

数歩あるいてブラウスと黒の柄ストだけの姿になっている妻の前に立つ。


憎悪のまなざしで睨む。

妻もこちらを睨んでいる。


「何よ?言いたいことがあったら言ってよ!」


凄い声でそう言った。

俺は少し怯む。


しかし怒り。

怒りが俺にはある。


「今日、誰と会っていた!?」

「は? なによ?」

「とぼけるな」

「意味がわからない。何が言いたいのよ?」

「見たんだよ」

「何を」

「男と車の中にいたろ」

「…」

「なぜ否定しない?」

「…」


妻は俺の目を逃れ視線を左下に外す。


「何をしてたんだ?」

「見たんでしょ」

「自分が何をしたかわかってるのか?」

「いい加減にしてよ。私今日はもう疲れてるから」


妻の手を強く掴む。


「いやだ!やめてったら!」

「浮気したんだろ?」

「いやっ 離して!」

「聞いた事に答えろよ」

「してない!」

「ウソつけ」

「してないもん」


妻の腕を強く掴みながら俺はワナワナと恐ろしい感情が湧きあがってくるのを感じた。

声が震え始めていた。

頼むから、もう、あんなことはしないでくれ!

麻友!お願いだ!


そう口に出来ず、しかし黙ってもいられない。

麻友を愛し、諦められない極情と、その麻友の裏切りによって芽生えたこの気違いじみた怒りの激情が激しく俺の脳の中を交錯する。


もはや大人の理性を完全に失った俺は、自らの感情の濁流に流される泥の船だった。

涙がとめどなく出てくる。


ぐあああぁぁぁぁ


俺は号泣しながら妻を抱き寄せる。


妻はびっくりしている。

「ちょ、、っと? なに、大丈夫?」

「麻友、麻友、ああああっ」


そのまま妻のベッドになぎ倒す

俺はもはや癇癪を起した幼児になっていた。


「いやっ やめてっ!ちょっと!やめっ」


嫌がる妻を強引に抱きしめ、そのまま胸の中に顔をうずめ号泣する。


「なんで、なんでだよ!なんであんな男とするんだよ!」

「…」


妻は泣きじゃくる俺に困惑し、俺をやさしく両腕でつかむようなやめるような、そんな仕草をする。


俺は泣きじゃくりながらも妻のストッキング脚をなでまわす。

柄ストならではの独特のザラザラ感が俺の性的興奮を復活させていく。


妻は拒否しない。

俺はそのままうずめた顔を徐々に下に下げて行く。


妻のパンストの股の部分まで降りて行く。

妻は脚を交差させ、なんとか食い止めようとするが

俺はその力よりも強く抵抗する。


おまんこの少し上あたりにきた。

臭いを嗅ぐ。


なんとも言えぬ、厭らしい臭いがしている。

生臭いような、汗臭いような。

動物の臭いだ。

そしてその匂いによって俺はたちまち強力な性欲が湧きあがってくるのを感じた。


「なんだこの臭いは?お前一人の臭いじゃないぞ」

「いやっ、やめて。。お願い」


クンクンと、犬のように音をたて、パンストの上から鼻をぐりぐりとあてこすりながら下品な香りを貪る。

もう俺はいてもたってもいたれなかった。


まだ涙も収まらないけど、熱した鉄の棒のように熱くなったチンポを衣類の中に収めておけなかった。

片手でズボンとパンツを一気にずらし、猛り狂ったチンポを飛び出させた。


「いやっ やめて!」

「今日お前がやったことをもう一度、もう一度」

「ダメっ」

「どうしてだ?俺たち夫婦だろ!?」

「いやっ」

「なぜあいつとはするのに俺とはダメなんだ!?」


俺は嫌がり始めた妻の両脚を開かせ、パンストを尻からずらす。

下着ごとずらす。


中からムアッとした臭気とともに、

今日火遊びをしたばかりの罪の秘肉が露わになる。


凄い臭いがしている。


「おい、なんだ?この臭い お前まさか、中で出させたんじゃないだろうな?」

「…」

「おい、答えろよ?何故黙っている?」


「したわよ」


その一言は鉄のハンマーのように俺の脳髄を打った。

俺は妻の「したわよ」という冷ややかで諦めきったそのトーンに、これ以上ない怒りと興奮を覚えた。


最大限に勃起していても尚、皮に覆われチンポは大量の先走り液を溢れさせ続け、

それをそのまま妻の罪の肉壺の中にこじいれる。


先走り液が潤沢に出ていたため、また、妻の汚れた秘貝からも今日の秘遊びの余韻か、男と女の体液が混在したような臭い液体でヌルヌルしていたのであっというまに入った。


「あっ!」


「くっ!」


妻の柔らかな肉は俺の先端の皮をゆっくりと反転させていく。

そして飲み込む。

奥まで。

ずっと ずっと 奥まで。


なんという気持ちよさだろう。

何年ぶりの妻との性交だろう。


けれども、たった数時間前、あの若い男の勢いの付いた肉茎にさんざん慰みものにされた膣…


またしても怒り。

そして激情。


汚い膣内で完全に包皮が剥け切った俺のチンポはもうすぐにでも射精の合図を送っている。

物凄いストロークで奥深くを打つ。

中の温度は相当に高い。


「あっ あっ! だ…ダメっ! やめ… て!」


俺は腰を強烈に振りながら妻の耳元で妻の顔じゅうをねぶりながら囁きかける。


「きょ、今日、やつに中で出させたのか?」

「あっ あっ! いやっ! そ そんなことは」

にゅりゅっ にゅりゅっ

「出させたんだろ?」

ぐちゅ ぐちゅ ぎゅにゅ

「だ、出させて、 ない… あン!」

ハァハァ…ハァハァ… ハァハァハァハァ

「嘘つけ、じゃなんでおまんこがこんなにぐじゅぐじゅになってる?なんでこんなに臭い?」

ぐちょぐちょぐちょっ にゅちゃっ

「あっ いやっ イ、イく」

にゅりゅっ! にゅりゅっ! にゅりゅっ! にゅりゅっ!

「そうか、イきそうか。俺も出してやる!」

ぶびっ ずりゅっ ずびっ

「あっ あっ ダメっ 今日は!」

「アイツにも出させておいてダメもくそもあるか!」

「あっ ああっ!いやっ こ、子供、子供できちゃうからっ!

「アイツの子供かもしれないぞ?どうするんだ? あっ イくっ!」


びゅびゅびゅっ! びゅーっ! びゅーっ! ぴゅる! ぴゅる…


一気に射精する。

どくどくと妻の子宮に打ち続ける。

腰が抜けるほど強烈なストロークを繰り返す。


「あっ あっ あっ イ、イくっ」


妻もほぼ同時に達した。

妻の中で今日一日の「修羅」を全て吐き出し続ける。


まるで放出された精液に俺の怒りが乗り移り、

呪いの塊となって子宮の奥深くまで強行突破していくようだった。


そして俺はその瞬間、あの男と同化する。

妻の子宮を渾身の力で突き上げながら、その怒りは、その性欲は活火山の如く噴火し続ける。

今日あの男が妻の中で放出した時の感覚が俺に乗り移っているようだ。


果てしない嫉妬の豪雨が降り続き、深く、暗い闇淵の中で、これ以上ない程の快感に歓喜する。

止まらない射精は俺の腰を、背骨をごっそりと引き抜く。

再び多幸の錯覚に陥る。

しかし、間髪いれずににやってくる怒涛の哀しみは赤銅の砂。

そして襲いかかる無数の蝿の音。


俺は無限の自由落下の中で救いを求めている。

弥勒菩薩が目は閉じたまま、静かにどこかで俺を見つめている。

また、ある刹那、俺が弥勒菩薩でもあるようだった。

そして暗転とともに阿修羅に戻る。

目からは紅い涙が伝いはじめていた。

妻の中で果て、そのまま次の勃起を待つ間、三千世界を彷徨う。


地獄の業火に焼かれ、悶え苦しみながらもわずかな瞬間、

あの幼い時の記憶が蘇る。


縁日で買ったリンゴ飴の透き通る赤。

れんげ畑で採った薄紫色の味。

つぶした黄土色のカマキリの腹から出てきた黒いハリガネのような虫。


荒ぶる外海のような感情のうねりの中で、

俺は灼熱の業火を背負った修羅と化し、

泣きながら妻を犯し続けたのだった。
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