平野啓一郎 「マチネの終わりに」を読み終えた。
クラシックギタリスト蒔野聡史とパリ勤務のジャーナリスト小峰洋子の出会いから5年半の物語である。
丁度映画が公開されている。蒔野役を福山雅治、洋子役が石田ゆり子。
この二人をイメージして読み進めた。
5年半の間にたった3度しか会ったことがないのに深い恋に落ちる。
そんなことあり得ないよと言う人も多いだろうが私はあり得ると思える人と知り合いたい。
この物語は蒔野の次の言葉で貫かれている
人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでいる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。
変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。
過去は、それくらい繊細で、感じやすいものじゃないですか?
初恋の人にどこかでバッタリ再開して全くの別人化していたら、あるいは自分の中の想い出以上に素敵な人になっていたらとおもうと確かに未来は常に過去を変えているかもしれないね。
エンディングの後、二人の過去がどのように変わっているのか想像してしまう、余韻のある終わり方で良かったです。