大学を卒業後、アメリカに行った。
大学の恩師が「すぐ働かなくていいならアメリカに行ってきなさい」という一言を素直に聞き入れたからだ。
シアトルに数日滞在後、そこから飛行機だと1時間ぐらい東に行った所へ行くことにした
一応ワシントン州第2の都市と言うことだった
(行ってわかったことだが1位と2位の差がありすぎだった)
バスで行くことにした
シアトルからは8時間ぐらいかかるところだった
時計の針は12時を回っていたと思う
到着は20時過ぎの予定だ。
泊まるところは確保してなかったし、街の地図も事前に持っていなかった。
バスにはいろいろな人種の人が乗っていた。6割ぐらいの乗車率だったかな。
夕方過ぎると人々はどんどん降りていき、だんだん心細くなってきた。
終点の俺の降りるターミナルが近くなってきたとき、ちょっとやばいかなと夜到着する便に乗ったことを後悔し始めていた。
ターミナルまであと少しの所になると、明るいところには怖そうな人たちが立っているのがよく見えた。
正直びびってた。
到着したとき、トイレで朝まで待とうかと真剣に考えた。
しかしバス会社の人がターミナルは閉めるというので泊まれるところないかと聞いたらそこから200メートル行ったぐらいの所にモーテルがあるとのことだったのでザックを背負ってダッシュした。
(後日談だが、結局このモーテルに数日泊まり、なんだか分からないうちにこのモーテルのオーナーが所有していたアパートを借りた。)
朝食だけはそこのフロントでパンとコーヒーがもらえたので近くのドラッグストアで食い物とジュースを買った。
レモンジュースを買って部屋で飲んだ。それは大瓶に入っていた。
飲んだ瞬間、「ぐへぇ」となった。
アメリカのジュースはきついな。これが果汁100%の味かと思った。
これがアメリカンテーストだと妙に納得した。
その後何度か、「ぐへぇ」、「ぐへぇ」いいながら飲んで半分くらいになった。
その時ふと思った。「半分ぐらい水を足しても大丈夫じゃないか」と。
水を入れて飲んだら飲みやすくなった。
瓶に満タンになったジュースを半分飲み干した。
これはまだまだ水で割れるんじゃないかと思い、また半分水を入れてみた。
これでもうまく飲めた。
つまり元のジュースが4分の1になったことになるな。それでもおいしく飲めた。
アメリカのレモンジュースはお得だなと思った。
そして瓶のシールをよく見たら濃縮果汁の100%レモンだった。
日本でもポッカが売っているがあんなに大きい瓶に入った物は見たことがなかった。
俺は始め、レモンの濃縮果汁をストレートで飲んでいた。
「ぐへぇ」、「ぐへぇ」言うのも当たり前か
やっぱ緊張していたんだろう。全く気付かなかった。
あれが俺のアメリカの味だ。